【step05】レ字エントリー手法
step01〜04で、心理・トレンド・ラインの基礎をすべて学びました。
このstep05では、それらを組み合わせた具体的なエントリー手法を解説します。
手法の名前は「レ字エントリー手法」です。
step03で「弱い調整を狙え」と言いました。step04で「ラインが引ける場所を狙え」と言いました。
このstep05は、その2つを組み合わせて「実際にどこでどう入るか」を具体的に示します。
目次
- 手法の全体像
- エントリーポイント①:切り下げライン上抜け
- エントリーポイント②:ライン下限での反発
- ラインの具体的な引き方
- 移動平均線との組み合わせ
- 損切りの考え方
- 利確の考え方
- 大陽線で抜けたときの対処法
- まとめ
1. 手法の全体像

まず、この手法の大前提を確認します。
前提条件:強い上昇トレンドAが発生していること
この手法は、強い上昇トレンドが発生した後の「弱い調整」を狙います。
強いトレンドがなければ、この手法は使えないです。

流れを整理するとこうなります。
① 強い上昇トレンドAを確認する
② 弱いレ字の調整(B)が入るのを待つ
③ 縦軸(半値以上)・横軸(十分な時間)の調整を確認する
④ 調整にラインを引く
⑤ エントリーのサインを待つ
⑥ エントリー・損切り・利確
この流れを一切省略しないことが重要です。
「なんとなく強そうだから入る」ではなく、すべての条件が揃ったときだけ入る。
その積み重ねが、長期的な勝率を高めます。
強い上昇トレンドの見分け方
「強い上昇トレンド」とはどういう状態か。
一番わかりやすいのが、移動平均線のパーフェクトオーダーです。
短期・中期・長期の移動平均線が順番に綺麗に並んでいる状態。

パーフェクトオーダーが確認できれば、強い上昇トレンドの前提条件が整っています。
その後に調整が入るのを待ちます。
2. エントリーポイント①:切り下げライン上抜け

エントリーポイントは2つあります。まず1つ目から。
レ字の調整(B)が始まると、高値が切り下がっていきます。
その切り下がっていく高値を結んだラインが「切り下げライン」です。

このラインを上抜けた時点でエントリーします。
なぜ切り下げライン上抜けが有効なのか
切り下げラインを抜けるとき、2つのことが同時に起きます。
① ライン際で売っていた人の損切りが発動する

切り下げラインを見て売りを入れていたトレーダーは、「ラインを上抜けたら損切り」という場所に損切り注文を置いています。
ラインを抜けた瞬間、その損切り(買い戻し)が一気に発動します。
② ライン突破を確認した人が新規買いを入れる

「切り下げラインを上抜けた=上昇トレンドが再開した」と判断した人が、新規で買いを入れます。
この2つが重なることで、ライン上抜け後に強い上昇が生まれやすくなります。

エントリータイミング
エントリーはライン上抜けのローソク足が確定した時点です。
確定前に飛び込むのは感情的な反応。step01で学んだ通り、確定した「事実」だけを根拠にトレードします。

ローソク足が確定する前は大陽線に見えていても、確定した瞬間にピンバーになっていることがよくあります。
必ず確定を待ってからエントリーしてください。
高値更新を待たずに入る理由
「トレンド転換を確認してからエントリーすればいいのでは?」と思う人もいると思います。
つまり、直近高値を更新してから入るということ。
でも、この方法にはデメリットが2つあります。
① 損切り幅が広くなる
切り下げライン上抜けでエントリーした場合と、高値更新でエントリーした場合では、同じ直近安値を損切り場所にしても、損切り幅に大きな差が出ます。
高値更新後にエントリーした方が、損切り幅が広くなります。
② 一番おいしい場所を逃す
反発回数が多いライン(切り下げライン)を抜けた瞬間が、最も損切りの連鎖と新規買いが集中する場所です。
つまり、ここが一番値が伸びやすい場面。
高値更新を待つということは、その一番おいしい場所をすでに逃している状態です。

だからこそ、高値更新を待たずに切り下げライン上抜けでエントリーします。
明確なラインを超えれば大衆の意識は上昇に傾くので、高値更新まで待たなくても大丈夫です。
3. エントリーポイント②:ライン下限での反発

2つ目のエントリーポイントです。
レ字の調整が進むと、複数のラインが重なる場所に到達することがあります。
例えば、
- チャネル下限
- 水平線(直近の重要ライン)
- フィボナッチ50%(半値)
これらが重なる場所は、大衆の注目が最も集まる場所です。
そこで「反転のサイン」が出たとき、エントリーを検討します。

反転のサインとは
ライン下限に到達しただけではエントリーしないです。
あくまで「反転のサイン」が出てから入ります。
具体的なサインとしては、
- ピンバー(ヒゲが長い足)が確定した
- Wボトムが形成された
- 小さなチャネルを上抜けた
などです。
ラインに来たことが根拠ではなく、ラインに来た後に何が起きたかが根拠です。
ここを勘違いすると、押し目買いが願望トレードになってしまいます。
実際に買いが入ってきた事実を確認してから、エントリーしてください。
①と②を比較すると
①の切り下げライン上抜けと②のライン下限反発を比べると、それぞれ特徴があります。
①切り下げライン上抜け
- 安定感がある
- 損切り幅がやや広くなりやすい
- エントリーチャンスが明確
②ライン下限反発
- 損切りラインに近いのでリスクリワードが有利
- ただし調整が延長するリスクが高い
- 「逆張り的な要素」が含まれる
どちらも状況に応じて使い分けますが、迷ったときは①を優先した方が安定します。
また、①と②は排他的ではないです。
②でエントリーできなかった場合、その後①でエントリーチャンスが来ることがあります。
③「戻りを待つ」という選択肢もあります。ライン上抜けで大陽線が出てしまった場合、一度レジサポ転換した後の戻りを待ってから入ることも有効です。
焦らずチャンスを待てることが、この手法の強みの一つです。
4. ラインの具体的な引き方

エントリーポイントの話をしましたが、そのためにはラインを正確に引く必要があります。
ここでは、レ字の調整に引く切り下げラインの具体的な引き方を説明します。
基本は実体から引く
切り下げラインを引くとき、基本は実体(ローソク足の本体部分)から引きます。

なぜ実体から引くのかというと、実体から引いた方が抜けたときに綺麗に上昇することが多いからです。
引いたラインを平行にコピーして、安値のヒゲ先に持ってくることでチャネルが完成します。
ヒゲ先から引く場合
ただし、急落でヒゲが極端に長い場合など、実体から引けないケースもあります。
そういう場合はヒゲ先から引いた方が綺麗にラインが引けることがあります。

基本的には「実体から引いて、それをコピーしてヒゲ先に持ってくる」という引き方が最も機能することが多いです。
ただし、一番重要なのは反発回数が多いラインを引くことです。
反発回数が多い方が大衆が意識しているので、そちらを優先してください。
数時間おきに引き直す
ラインを一度引いたら終わりではないです。
数時間おきに引き直してください。
ラインを引くと視野が狭くなりがちです。「このラインで絶対反発する」という思い込みが生まれやすくなります。
定期的に引き直すことで、より正確なラインを維持できる。
5. 移動平均線との組み合わせ

この手法ではマルチタイムフレーム分析を使います。
- 4時間足・日足:環境認識(トレンドの方向・強弱を確認)
- 15分足:エントリータイミングを計る
大きな流れは上位足で判断し、実際に入る場所は15分足で精度を上げる。
スイングトレードでも15分足を使う理由はここにあります。4時間足だけだとエントリーポイントが大雑把になりすぎてしまいます。15分足まで落とすことで、損切り幅を狭くしながら、より有利な価格でエントリーできます。
この手法では、以下の移動平均線を補助として使用。
- SMA20(黄色)
- SMA75(赤)
- SMA200(ピンク)
この3本を15分足に表示させます。


なぜこの3本かを説明します。
SMA20の役割:ライン上抜けが成功するか判断する
この3本の中で最も重要なのがSMA20です。
SMA20の角度を見ることで、切り下げライン上抜けが成功するかどうかの目安になります。
SMA20が上向きのとき
切り下げラインを上抜けたとき、SMA20が上を向いていれば成功しやすいです。

SMA20が横・下向きのとき
切り下げラインを上抜けたとき、SMA20が下を向いていると失敗しやすいです。

なぜSMA20の向きが関係するのかは正直なところ完全には説明できないですが、SMA20が下を向いたままラインを抜けた場合、高い確率で調整が延長します。
SMA20が上を向いているかどうかを、エントリー前の最終確認として使ってください。
ただし例外もあります。
SMA20が下を向いていても、トレンドラインとSMA20とSMA200が重なっているような強固なラインを抜けた場合は、成功することがあります。
「SMA20が下向き=絶対にダメ」ではなく、「SMA20が下向きなら慎重に」という姿勢で使ってください。

SMA200の役割:調整の深さを確認する
レ字の調整(B)が進むとき、SMA200(ピンク)にタッチしているかどうかを確認します。
SMA200にタッチする前に切り下げラインを上抜けた場合、調整不足の可能性があります。

逆に、SMA200にタッチしてから切り下げラインを上抜けた場合、調整が十分に入った証拠です。

これはstep03で学んだ縦軸調整の確認とも一致しています。
SMA200は移動平均線の中でも最も大衆が意識しているラインです。
そのラインにタッチするということは、多くのトレーダーが「ここで一度止まった」と認識することになります。
その後の切り下げライン上抜けに、より多くの確信が生まれやすくなるのです。
移動平均線はあくまで補助
移動平均線はあくまで補助情報です。
常に表示させていると、ラインやローソク足の確認が疎かになります。
最終確認として「SMA20の向き」「SMA200へのタッチ」を確認する程度の使い方が理想です。
6. 損切りの考え方

損切りは直近安値(高値)に設定します。
なぜ直近安値なのか
直近安値を超えるということは、以下の根拠が同時に否定されるからです。
- レ字の調整がライン内に戻ってきた
- ダウ理論上の上昇トレンドが否定された
根拠が複数否定された時点で、ポジションを持ち続ける意味がなくなります。
損切りは「気持ち」で決めるのではなく、「根拠の否定」で決める。
これが損切りの基本的な考え方です。
斜めラインを損切り場所にしない
「切り下げラインに戻ってきたら損切り」という設定をしたくなる気持ちはわかります。
でも、斜めのトレンドラインを損切り場所にするのはおすすめしないです。
理由は2つあります。
① 損切り場所が不安定になる
斜めラインは時間とともに位置が変わります。だから損切り場所が曖昧になりやすいです。
② 水平線の方が意識されやすい
すべての人がトレンドラインを引いているわけではないですが、水平線(直近安値)であれば「価格帯」なので引いている人がより多いです。
水平線は多くの人が意識しているので、反発が起きやすい。
つまり、直近安値は「損切りにならずに踏みとどまりやすい場所」でもあるのです。迷ったときは根拠が複数否定される場所を選ぶ
例えば、損切り場所の候補が2つある場合。
単純に「近い方を選ぶ」のではなく、「どちらの場所で根拠がより多く否定されるか」を考えてください。
例えば、
- 直近安値ライン
- SMA200(ピンク)
- 切り下げライン
これら3つが重なる場所を超えたとき、「ここを超えたらトレンドが完全に否定された」と言えます。
その場所が損切り場所として最も合理的です。
感情から損切り場所を決めるのではなく、根拠から決める習慣をつけてください。
7. 利確の考え方

利確はチャネル利確を基本とします。
エントリー後に上昇チャネルを引き、その上限に到達した時点で利確します。
チャネルの引き方
エントリー後、直近の高値と安値を結んでチャネルを引きます。そのチャネルの上限に価格が到達したら利確します。
またチャネルを引くとき、反発回数が多い方を優先してください。反発回数が多い=大衆が意識している場所なので、そこで利確売りが集まりやすく、反転しやすくなります。

利確の基本姿勢
強いトレンドのときほど、利確を細かく(早めに)取る方が結果的に利益が多くなります。
「もっと伸びるかもしれない」という気持ちで利確を引き延ばすと、含み益を失うことが多いです。

チャネル上限まで来たら、迷わず利確する。これを習慣にしてください。
8. 大陽線で抜けたときの対処法

切り下げライン上抜けの場面で、ローソク足が大陽線になってしまい、高値でエントリーしなければいけない状況になることがあります。
【画像:大陽線でライン上抜けしてしまったドル円チャート】
こういうときの対処法は2つあります。
対処法①:ロットを半分にする
損切り幅が広くなると、エントリーが怖くなります。
そういうときはロットを半分にしてエントリーします。
得られる利益も減りますが、1円も得られない機会損失をするよりは良いです。
意識されているライン上抜けの性質上、強い値動きが発生した後に一度も戻ってこないこともあります。

チャンスをずっと待ってから見逃したときのメンタルへのダメージは大きいです。
自分のメンタルを守るためにも、ロットを調整してエントリーすることを選択肢に入れてください。
対処法②:戻りを待つ
大陽線でライン上抜けした後、一度ライン付近まで戻ってくることがあります。

ここでピンバーやWボトムなど「反転のサイン」が出たら、そこでエントリーします。
これもエントリーポイント②(ライン下限での反発)と同じ考え方です。
戻りでエントリーした場合も、損切りは直近安値です。
組み合わせて使う
最も理想的なのは、この2つを組み合わせることです。
① 大陽線でのライン上抜けを確認→ロットを半分にしてエントリー
② 戻りで反転サインが出たら→残りの半分でエントリー
こうすることで、機会損失を避けながら、戻りでもしっかりポジションを積み増せます。
3回のエントリーチャンスを意識する
この手法には、1つのレ字に対して3回のエントリーチャンスがあります。
① ライン下限での反発(エントリーポイント②)
② 切り下げラインの上抜け(エントリーポイント①)
③ 上抜け後の戻り
①で入れなくても②がある。②で入れなくても③がある。
この余裕が、この手法の大きな強みです。

「今のタイミングを逃したらもうチャンスがない」という焦りは不要。
焦ってエントリーするよりも、次のチャンスをしっかり待つ方が、長期的に見て勝率が高くなります。
9. まとめ

このstep05で学んだことを整理します。
手法の前提条件
- 強い上昇トレンドAが発生していることを確認する
- パーフェクトオーダーが目安
- 前提なしにエントリーしない
エントリーポイント①:切り下げライン上抜け
- レ字の切り下げラインを引く
- ラインを上抜けたローソク足が確定したらエントリー
- 高値更新を待たずに入る(損切り幅が広くなる・おいしい場所を逃すため)
エントリーポイント②:ライン下限での反発
- チャネル下限+水平線など複数のラインが重なる場所を狙う
- ラインに来ただけでは入らない。反転サイン(ピンバー・Wボトム等)が出てから入る
- リスクリワードは有利だが調整延長リスクあり
ラインの引き方
- 基本は実体から引く
- 必要に応じてヒゲ先からも引いてゾーンを作る
- 数時間おきに引き直す習慣を持つ
- 反発回数が多い方を優先する
移動平均線との組み合わせ
- SMA20・SMA75・SMA200の3本を15分足に表示
- SMA20が上向きかどうかを最終確認に使う(下向きなら慎重に)
- SMA200へのタッチが縦軸調整の確認になる
- あくまで補助情報として使う
損切りの考え方
- 直近安値(高値)に設定する
- 斜めラインではなく水平線(価格帯)を損切り場所にする
- 「気持ち」ではなく「根拠の否定」で損切りを決める
- 複数の根拠が同時に否定される場所が最も合理的
利確の考え方
- チャネル上限で利確する
- 反発回数が多いチャネルを優先して引く
- 「尻尾と頭はくれてやれ」。チャネル上限まで来たら迷わず利確
大陽線で抜けたときの対処法
- 1つのレ字に3回のエントリーチャンスがある
- ロットを半分にしてエントリーする
- 戻りを待って反転サインが出たらエントリーする
- 2つを組み合わせて使うのが最も理想的